Vue.js+Vuetify.jsで作るkintoneカスタマイズビュー

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最近

お仕事でkintoneのJavaScriptカスタマイズをよくやっています。

よくある要望なのが、【一覧画面で、チェックボックスを並べて選択レコードに対して一括して〇〇を更新・処理したい。】というもの。  

以前は、カスタマイズビューでHTML・CSSを手書きしてたんですが、もっと効率良く開発できないかと模索してた先に行き着いたのが  Vue.js+Vuetify.jsの組み合わせです。

Vue.jsはjQueryに変わるフロントエンドライブラリ、Vuetify.jsはVue.jsと組み合わせて使うデザイン化されたUIパーツみたいなものです。(ちょっと乱暴な言い方かも。)

何しろ、今時のデザインで高機能なUIを簡単なコードで作れるので、凄いお勧めです。

以下、今回作ったカスタマイズビューです。
チェックボックス付きで選択レコードに対して一括処理を行うVuetify.jsのデータテーブルを使っています。
ソート機能とフィルタリング機能も付いています。

Vue.js+Vuetify.jsによるデータテーブル

Vue.jsやVuetify.jsに関する情報はネット上にいくらでも転がっているので、そちらをどうぞ。  この記事では、kintone関連の事を中心に記事にしたいと思います。

なお、公式サイトは以下。

また、Cybozu Developper Networkの以下の記事がkintoneで使うための参考になります。

カスタマイズビューの作り方

基本的な所は以下を参考にしてください。

カスタマイズビューの設定

ポイントの一つは、「ページング」の設定です。
Vuetify.jsでは色々なUIコンポーネントが予めデザイン化されて、少量のテンプレート構文ですぐ使えます。

一覧画面を作るにはデータテーブルというやつを使うのですが、そいつはデフォルトでページング機能を持っています。
作り方にもよりますが、今回はデータテーブルの方のページング機能を使うため、kintoneのページングはOFFにしておきます。

それにより一覧画面表示イベント時に取得できるeventオブジェクトのrecords内には通常はレコードデータが入っていますが、ページネーションをOFFすると空になるので、自分で取得する必要があります。

eventオブジェクト

自分でレコードを取得するのでカスタマイズビューの設定画面で設定した「絞り込み条件」と「ソート条件」もkintone APIで取得します。

// ソート条件用に取得
var orderBy = kintone.app.getQuery();
// 抽出条件
var filterStr = kintone.app.getQueryCondition();
// ソート条件の解析
var orderMatches = orderBy.match(/order by (.*)$/);
var sorts = orderMatches[1].split(',');

取得条件に応じてクエリを変更できるようにしておけば、変更に強いスクリプトになります。

抽出条件を一覧設定画面で設定済みの場合 、「kintone.app.getQuery()」で取得できるのは、「抽出条件+ソート条件」なので「order by」でマッチングして必要なソート条件を部分的に抜き出すという事をやります。

なお、ページネーションをOFFにしてるので、「limit」「offset」は付いてきません。

HTML設定

HTMLはVuetify.jsのデータテーブル v-data-table を使います。
以下のようにカスタマイズビューのHTMLに設定。

<v-data-table
    v-model="selected"
    :headers="viewHeaders"
    :items="custommers"
    show-select
    item-key="レコード番号.value"
    class="elevation-1"
>
</v-data-table>

それぞれのプロパティは以下のような感じ。

プロパティ説明
v-modelチェックボックスの選択済みデータを格納するVueデータの配列。
:headersデータテーブルのヘッダー行の設定を決めるVueデータのオブジェクト。
:itemskintoneレコードデータ格納用のVueデータの配列。
sho-selectチェックボックスを表示するフラグ。
item-key各行を一意に判別するためのデータ。取得したレコードのレコード番号が適切。

詳しい説明は以下のドキュメントを参照のこと。

Vuetify.jsをkintoneで使う上での注意

Vuetify.jsのCSSを「アプリの設定」⇒「JavaScript/CSSでカスタマイズ」に設定すると詳細画面やその他の箇所に影響が出てしまうので、カスタマイズビューのHTMLにLINKタグを直接埋め込みカスタマイズビューの時だけ読み込むようにした方が良いです。

完成形の様子

以下のように。
Vue.jsの方を一切はぶいて紹介しましたが、訴えたいのはVuetify.jsのUIコンポーネントの便利さなので許してください。
とにかくCSSをいっさい書かずに以下のようなUIを書けるので非常に便利です。
今後も使っていきたいライブラリです。

wpmaster
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  • フリーランスシステムエンジニアの鎌形です。
    鎌形システムエンジニアリングとして都内で活動中です。

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